ソコカラナニガミエタ?

鉄コン筋クリート」@109シネマズ 夕方までヒマだから見にいった。さすがにもう混み混みではなかったので、見やすい席でふんぞり返って鑑賞。原作は実は読んでないけれど、アニメ作品にありがちな映像と声の違和感はなく、噂どおり声優陣もなかなかの作品。映像もキレイ。アニメのキャラが映像面でも声でもちゃんと生きてる感じがいい。
何だかいろんなテーマというか意味合いというかメッセージというか、そんなんがいっぱい詰まってる感じ。大人と子供、光と闇、喧騒と静寂、富と飢え、力と知恵、正義と悪、
なんかそんな感じのものがいろいろいろいろ。
宝町には秩序なんてなさそうな感じなのに、ちゃんと警察機構があるのが不思議だ。そしてネコと呼ぶには逞しすぎる子供を、大人の視点で守ってやろうって姿がなんかあったかい。ヤクザチンピラゴロツキなんて薄っぺらぺらのロクでもないヤツばかりかと思えば、そんな中でも何故かネズミにもあったかさがあった。他にも宝町の住人にはみんな同じようにあったかさが共通してたかな。
蛇の上には誰がいるかと思ったら神。ずばり「神」って言っちゃうと安いね。一番抽象的であり一番具体的でもある象徴・カリスマ。
「イタチ」の存在を知っていたシロ。自分の存在意義はシロを守ることしかないと考えているクロ。ふたつでひとつ。いいことだけどもろくもある。まあでもまだ子供だからね、もろくたっていいのか。ゆがんでいるようで実はまっすぐなのは子供ならでは。その純粋さがちょっと羨ましいや。
よくありがちな、大人ウケする漫画・アニメなのかと思ったら、何気に子供目線に訴えるもののように感じた。ヘンに複雑怪奇な最後にはワケわからん不条理劇ではなくて、内容がわかりやすくてちゃんとオチてるっていうか。抽象的な表現があったり、訴えかけられることは見る人によって違うだろうけれど、具体的な何かがちゃんとあったはず。それは人それぞれ。観て感じて考える。そこまでしての作品なんだろうな。