佐藤竹善「Okura Tour 2005-2006」@NHKホール

大変久しぶりな竹善さんのライブ。夏にはイベントなどにも出演していたがことごとく予定が合わず、大晦日は先にフェスの予定を入れていたためこれも断念。一昨年の年末以来だから、前回からは1年以上経っているのか。だからこそ今回は非常に楽しみなのだが、平日なのに18:30開演とはこれ如何に?定時に会社を出ても絶対に間に合わないのは確実なので、遅れるとわかっていて仕事をするか、それとも何とかして会社を早く抜け出すか。悩んだ挙句結局休みを取った。早退でも良かったんだが、最近忙しさのあまり家が荒れ放題。夕方まで部屋の片付けなどをし、ライブ前にちょこっと買い物などもして、NHKホールへ。やはり広いね、最近立見のライブハウスに行くことが多かったから、余計に広く感じる。
で、ライブの方はといえば一言でいうなら、ものすごい良かった!!!何がどうすごかったのかってことは、以下延々続く。
まずメンバーがすごい。羅列すると、Dr:山木秀夫Perc:大儀見元、Key:西脇辰弥、Piano:塩谷哲、B:下野人司、G:黒田晃年、Chorus:高尾直樹&渕上祥人(敬称略)竹善さん入れると総勢9名。みーんなあっちこっちで活躍しているスゴ腕ミュージシャン達。上は50代から下は20代まで幅広く、年齢だけでなくそれぞれの歩んできた音楽も幅が広い。そこから繰り出されるサウンドは、そりゃもうダイナミックでスペシャルだ。あの広いホールいっぱいに音が満たされる。ただ単に人数が多いから音が多いっていうんではなく、それぞれがこれまでに歩んできた時間で磨いた技があるからこそ、これだけの迫力がでるんだろうなと肌で実感。
今回3F席でステージが遠いなぁと微妙な気持ちだったが、むしろ上から見て正解かも。全員のプレイする姿をガン見。演奏が巧いだけじゃなくって、なんかこうムードがある人達だから、見ていてもすごく面白い。耳と目と肌で楽しめる。サポートの面々はただのバックバンドではなく、9名がそろってのステージ。だから、これは竹善さんのコンサートなんだから当然歌がメインなんだろうけれど、個人的には竹善さんもステージの1コマとして見ていたね。主役に対して失礼なのかもしれないけどさ。でもあのサポートのメンツをただの「バック」として扱うのはもったいないよ。これだけのアーティストを集めてステージを作り上げることが可能なんだ、と感心してしまったね。余談だけど、最近じゃあ木村カエラ嬢のバンドメンバーにも同じような印象を受けたっけ。
ひとつの音も聴き漏らすまいと物凄い集中して、目をかっ開いて耳かっぽじって、1曲終わる毎にため息の連続。ライブハウスで立見で踊っているのではないのに、座ってじっくり見ているだけで、こんなに体力使うなんてねぇ。最近は少なくて3ピース、多くても5人編成とかのシンプルなバンドサウンドを多く聞いていたもんだから、音の洪水にが新鮮でありとあらゆる音を拾って感じ取った。シンプルにも音楽は作れるけれど、今ここで9人がガッツリ組んで鳴っている音は、どれも欠けてはいけないものって感じのサウンドだったな。
そん中でも個人的なツボはドラムだな。最近ライブではドラムを聞くクセがあるからかもしれないけれど、それを関係なしにしても今回のドラムは誰もが目を引くものだったんじゃないかな。ベテランの技はスバラシイね。こんな音今まで聞いたことないよって衝撃だなぁ。こういう音を体感すると、やっぱり音楽はナマだよなぁと強く実感。それから鍵盤、ソルトさんのピアノはもう同じみだが、西脇さんは多分始めて。すごくムードのある人でかなり釘付け。キーボードだけじゃなくてハーモニカのスーパープレイも披露してくれた。鳥肌です。他にもパーカッションやコーラスもツボ入りまくり。コーラス隊は何気に歌にあわせて振り付けがあったりして、すごく楽しそうなのね。パーカッションもどんなに小さい楽器でもしっかりと鳴らして、この音がここには必要って感じ取れるものとなってた。いやはや脱帽。
今年に入った頃からブログを立ち上げたそうで、これがほぼ毎日更新されている。日記を書くのがそんなに楽しいのか竹善よ。機械オンチにも手軽に更新できるってのが魅力なのかな。そんなことでツアーの状況などが、事前になんとなく雰囲気が伝ってきていた。そこから感じたことだが、今回はバンドメンバーが演奏だけじゃなくて、お互いの関係も非常にいいってこと。事前情報からなんとなく予想はしていたが、今回は女性コーラスがいない。要するに男性のみのステージ。男祭り。これがなんというか体育会系というか、男同士で開けっぴろげで何でもアリって雰囲気。ステージには男エネルギーってモンが溢れてる感じだったね。先輩後輩でもあるし友達でもあるし仲間でもあるし、っていう面白い関係が築かれているようだった。演奏面も含めて、正にドリームチームだよなぁ。また機会があったら、こんなメンツでライブやって欲しいよ。ドリームだからなかなか集まれないかもしれないけどさ。難しいかも知れないけどまたやって欲しい。そしてもっと多くの人に届け!
まあ当然主役は竹善さんだから、ステージはこの人が引っ張っててるんだけどね。相変わらずMC長いし。っていうか本人も「歌い残しはいいけど喋り残しがあると後悔」って喋る気満々だし。ツアーファイナルってことで盛り上がりもMAXだから、もしかしたらMCガッツリとりたい為に開演時間が早かったのか!?でもまあホントにご機嫌。歌いながら客席降りちゃったりしてたしね。そしてやっぱり演歌も歌った、客も巻き込んで。笑えるんだけど、ここがこの人のすごいところでもあるんだよな〜。どんな歌でも自分のモノにして完璧に歌える。いやぁ酔った酔った。
MCは確かに長かったけど、演奏もガッツリ長々とやってくれた。今回のアルバムだけじゃなくて以前の曲もやったり、Sing Like Talkingの曲もやってたっけ。18時半開演で終了が22時。聴き応え満載の3時間半。あんまり盛り上がったもんだから気分よくなって、「もう1曲やっちゃおうかな〜♪」と予定外のアンコール。「ちゃんと歌えよ〜」とみんなを牽制して始まったのが「Spirit Of Love」。アンコールではお馴染みの曲。ここまで3時間半、ライブの音に集中してガン見ガン聴するあまり、手拍子や自分も一緒に歌うってことはあまりしなかったんだけど、ここはさすがに一緒に歌いました。っていうか歌わずにはいられなかったね。あぁ幸せ・・・。
ステージの隅にクレーンカメラがあったので気になっていたら、このライブのDVDが5月に発売されるそうで。んー、これは買いだな。竹善さん曰く「よくよく考えたら、シングライクトーキングの武道館以来映像作品がない」えっ?そうだっけ? DVD化にあたってひとつ希望が。「尺は短くしないでくれ!」要するにライブ全部ノーカット。2枚組みくらいで。演奏は勿論のこと、ツアーファイナルということでいつも以上に饒舌な、竹善さんにとってはひょっとしたら歌以上に重要なんじゃないかと思われるMCも全て、収録して欲しいものである。
帰りに物販みたらツアーパンフあり。パンフレットのあるライブって久々だ。嬉しくて即買い。更に会場限定発売のライブアルバムもやはり即買い。著作権をはるか彼方に超えている竹善オリジナルキャラクター「ミームン」シリーズは、今回は歯ブラシセット。ゴメン、これはいらないや。