脱!ステロイド!

9月辺りからアトピーの症状がまた目立っている。正確には、肌が本来持つ力を正常に機能させる為、ステロイドの使用を止めて体内に蓄積されたステロイド成分や老廃物を除去しようとしたことによる、リバウンド反応である。1年半位前だったと思うが、これを始めたときはやはり顔や首にリバウンドが出て、辛い思いをしたがしばらくすると落ち着いて、最近では首にちょっとむず痒さがある位だった。しかしこの夏遊びに明け暮れる為に、肌が疲れているところを何とかして治そうと、ちょくちょくステロイドを使用して無理やり回復させていた。副腎皮質ホルモンは皮膚疾患にはとにかく効くので、いざという時は結構便利で、この夏はつい薬に甘えてしまっていたのだ。これが仇となったのか、この1週間辺りでとんでもないリバウンドが襲ってきた。
先ず首が真っ赤にはれ上がり、顔もボコボコになった。まぶたが腫れると人相が更に悪くなるわ、目が思うように開けれず視界が悪いので、更にしかめっ面になる。痒みと痛みで落ち着かなく、放っておくと無意識に首や顔を掻きむしる。引っ掻くと更に皮膚が傷つき回復が遅れるので、綿手をして引っ掻くのを我慢する。我慢が出来ないときは、爪を立てたり抓ったりして気休めをするが、今度は爪を立てた部分が内出血となり、ここもまたドス赤黒くなってしまう。帰宅路では坂道を歩くうちに体内の血の巡りが良くなり、痒さに拍車がかかる。恐ろしい程の痛みと痒さを我慢して、気が狂いそうになりながらもようよう家に着けば、首の皮膚からはぐじゅぐじゅと膿みが出ている。首を保護しようと手拭いを巻くと、膿みがべったり付いて手拭いが湿ってくる。それほど膿みが出ているので、自分でもその臭いが気になる程で、更に気分が悪くなる。会社では、トイレに行く度膿みを洗い流してまたクリームを塗るという繰り返し。首の皮膚が痛いので思うように首が動かせず、また襟が首に触るのを嫌って無意識に力んで首を伸ばそうとしている。そのせいで首の皮膚だけでなく、筋なども痛めて肩こりを通り越した痛みが生じる。筋の腫れとおそらくリンパ腺の腫れもあるだろう。外側の痛みと内側の痛みと、とにかく首の辺りにストレスがかかる。自分で見ても気味が悪い状態なので、人にも出来るだけ顔を合わせない様にうつむき加減だったり、人と話す時もそっぽを向いたりと、人の目を気にして生活する。とにかくストレスにストレスが嵩む1週間だった。
そこへ来て今朝起きたら、顔中に赤い斑点。最高潮に酷くなっている。一般的に考えたら、とても人前に出てる状態ではない。自分も辛いし、これを目にする他人も気分を害する。しかしこの週末は土日ともに観劇。しかもすごく楽しみにしていたプラチナチケットの超話題作である。そして今回は1人歩きではなくツレがいる。無理をしてでも観に行かねばいけない。ストレスを背負った状態だが、仕方のないことと自分に強く言い聞かせて出かける決心をする。またこういう日に限って、秋というより夏といった感じの気候。汗をかき血行が良くなり、痒みが増す。何とか待ち合わせ場所にたどり着き、A木に会うなり開口一番「見苦しくてゴメン。気味悪いだろうからあんまり見ない方がいいよ。」先に先手を打っておく。人にコソコソ言われるよか、自分からブチまけた方がある意味ラクだ。
しかし、こういう時の外出がひとりではなくツレがいるというのは、相手には不快を与えてしまっているかもしれなくて申し訳ないが、こっちとしてはちょっと助かる部分もある。仲のよい友人とはいえ、この状態を見られているのは辛いけれども、ひとりで居てはただひたすら気分が滅入るばかりである。久々に会社の愚痴をブチかますことも出来たし、普段ひとりで居ることが多い身ではあるが、友人の存在というのもいいもんだと改めて実感してみたり。
芝居はせっかく面白かったのに、やはり集中力に欠けていた。しかもストレス感じていることで疲れが溜まっているのか、眠くなる。観劇後に食事に行くのはいいが、せっかく秋の味覚秋刀魚の定食も、口の端が切れているから口を開けづらいし、首が痛いから隣の友人の方を向くことも一苦労。せっかくのお楽しみも、心の底から楽しめないなんて切ない・・・。
しかしここで挫折してまたステロイドに走ると、結局は同じことの繰り返しである。何としてもグッと堪えて、1日でも早くまともな皮膚を取り戻すのだ!