TEAM-NACS「COMPOSE〜響き続ける旋律の調べ」@サンシャイン劇場

TEAM-NACS初見。ものすごい人気である。当日券の列は長々と喫煙コーナーのあるバルコニーまで延びている。劇場に入れば、通路という通路に補助席が設置され、おそらく立見もいたんだろう。いつの間にこんなに人気者に。っていうか、やってる本人達が一番そう思っているかもしれない。にしても、グッズ売り場までものすごい列。終演後も物販には階段まで行列がつくられていた。ナゼにグッズまで人気ある?まあよか。
芝居は相変わらず笑いを取り入れ、万人に受けやすい内容。ストーリーは時代を無視した著名な音楽家たちの物語。クラシック音楽を聞くのは久々だが、体や耳が覚えている。だが、誰の何の曲かがすぐに思い出せない。離れているとやはり鈍る。たまにはオケも聞きに行きたいなぁ。
今回は笑いもあるが、家族愛を描いたちょっとホロリな内容。芝居中、客席のあちらこちらからすすり泣きが聞こえてきた。それほど感情移入してなかったので、泣くほどではないなぁと思っていたら、ある一瞬でキた。ベートーベンが交響曲第9番を作曲するにあたり、あの有名なメロディーをトランペットが華々しく奏でるという説明をするシーン。ベートーベンの弟や息子(実は甥)がトランペット奏者だったことに掛けて、曲の見せ場にペットを持ってくる。大泉洋氏演じるベートーベンが「トランペットだ!」と叫んだ瞬間、全てのコマがカチッとはまった感じがして、「ああ、そういうことか」と納得し、そして涙・・・。作り話とはわかっているが、それでも心動かされた。確かにあのメロディーはTpの見せ場であるだけに、納得してしまう。あ〜、やっぱり久々にナマのオーケストラを聴きたいし、自分でもやりたいなぁ。
第九を作曲する過程で、テーマをさまざまなパートが繰り返し徐々に盛り上げるという説明をするベートーベン。個人的に気に入っているバスーンの裏メロもキチンと説明してて、ちょっと嬉しかった。この主メロと裏メロの絶妙の掛け合いが大好きなのだ。裏がファゴットというのもツボ、微妙に暖か味のあるあの音が心地よいのだ。ちなみにマックスに盛り上がってペットが魅せるところでは、ティンパニのリズムがカッコイーんである。
時代を無視しているためかなりおかしな設定で、知っている人間にとっては別の意味でも笑える舞台。ベートーベンが第九を作曲する際、シューベルトの手を借りたなんてエピソードもあり。サリエリモーツァルトは実際にはライバルのような関係だったと思ったが、劇中ではサリエリが師、モーツァルトは弟子、さらにベートーベンもシューベルトも兄弟弟子。何だコリャ。サリエリモーツァルトって聞くと、映画「アマデウス」を思い出したね。あれも結構作り話なんだっけ?
ベートーベンがナポレオンのために交響曲第3番「英雄」を作ったのは有名な話。でも確かナポレオンがフランス皇帝になったと報せを聞いて、ベートーベンは楽譜を床に叩きつけたとかいうエピソードを聞いたことがある。劇中でも、ナポレオンを称えていたベートーベンが最終的には失望したって内容をちゃんと取り入れていたので、マル。
しかし洋ちゃんこと大泉洋氏のベートーベンはホントにまぁよく似合うね。まんまだもんな。シューベルトは確かにメガネのイメージだが、劇中ではモーツァルトにやたらとメガネメガネ呼ばれて、当然ベートーベンはもじゃもじゃと言われて、ここまで繰り返されるとこっちもついベートーベンやシューベルトを見たとき「もじゃもじゃ」だの「メガネ」だのって言ってしまいそうになる。さらには安田顕氏演じるモーツァルトがお決まりのごとく笑いをとる。トルコ行進曲でおかしな歌を歌いまくり&踊りまくり。・・・ダメだ、こりゃ次にトルコ行進曲聞いたら、絶対に思い出すわ、そして笑うな。
んん〜、オーケストラ熱に火がつきつつある。最近バンドサウンドを追っかけていたが、やはり自分の音楽のルーツにはクラシックも含まれていると改めて再認識。勿論ロックだってルーツのひとつだ。要するにノンジャンルか?