KERA・MAP#003「砂の上の植物群」@シアターアプル

毎日遊び歩いている為、さすがに疲れたがたまってきた頃である。ちょっと気ぃ抜くと寝てしまう位で、面白くない芝居だったらどうしようと思っていたが、ちっとも退屈しない舞台であった。しかし疲れた心身には応えたことは事実。
KERAさんの芝居といったら「ナンセンスコメディー」が売りのように言われているが、この日はこの「ナンセンス」加減をハラの底から笑える状態ではなかった。登場人物達のやり取りが、何ともイライラする。会話が全然かみ合わなく、話が進まない。自分の日常にこんなトロいやり取りがあったら、マジでブチ切れする。なるべく効率を重視して動いている自分にとって、こういう非生産的な言動は何とも不快感なものなのである。芝居という非日常の空間だからといって、いくらなんでもこれはやり過ぎではないか、というくらいナンセンスを畳み掛けてくる。
しかしよくよく考えると、普通の日常の空間でもこんな感じのくだらなさが溢れているものかも知れん。普段、か〜〜なりつっまんないことでも、アホのようにウケたりすげーマジだったりヘンなところにこだわったりすることあるもんなぁ。そういうの1個1個は気付かなくても、そんなんばっかり集めてたらこういう風になるのかもしれん。
作品自体をけなすつもりは全くない。むしろ非常に面白かった。ただ、芝居なり映画なり音楽なり美術なりなんでもそうだが、受け取る側のさまざまな状態、体調だの気分だのってものによって、受け取った物に対する反応や感想は実に変化するものなんだなと、今までこういう経験がなかったわけではないが、改めて実感した。
昨年の夏「MIDSUMMER CAROL」@PARCO劇場を観たときのことをなんとなく思い出した。あの時も舞台はすごく面白かったのに、自分の精神状態がものすごく不安定で素直に面白いと受け取れず、すんごいキッツイ気分で劇場を後にしたんだった。あん時も思ったけれど、こういう場合は自分の調子がいい時に改めて観たいと思ってしまう。なんで今このタイミングでこんなもの観てしまったんだろうと自責の念みたいなもんに駆られる。後悔しても仕方ない、誰が悪いわけでもない、が持って行きようのない気持ちにさらに気分が悪くなる。劇場に希望や夢を求めに行っているわけではないが、あまりに打ちのめされると『何でこんな目に・・・』とやるせなくなる。さらに家まで帰る道のりがいつも以上にめんどくさくなり、街中歩いたり電車に乗ったりでやるせなさが倍増。
てか、なんでこんなにマイナス向きなんだ!?今の自分メチャメチャ負だぞ!?せっかくの連休だぞ!遊び倒さんと!こんなダルダルでも最終日の明日も遊ばんとイカン!余計ダメんなる〜!!!