花組芝居「ゴクネコ−極猫大騒動−」@全労災ホール スペース・ゼロ

初代浪速のチビ玉改め流し目のスパイナーこと竜小太郎氏を迎えての公演。大衆演劇が好きそうなおじさんなど、いつもとは違った客層でロビーの雰囲気もなんか違う。あまりいつもは見かけない若い男性同士のお客もいたりして、ちょっと不思議。流し目のスパイナーは女性だけでなく男性をも射抜くのか!?
舞台は相変わらず歌あり踊りあり。花組役者の中でも歌の上手い役者の歌はさすがに聴き応えがあり、勿論小太郎氏にも満足。それからアドリブ大会。コレはもう小劇場では「ウケたもん勝ち!」という誰もが思っている変な法則があるので、どの役者も随所で狙う。当然今回も波多屋さんの独占オンステージコーナーあり。しかも2,3シーン。御年40ン歳で大暴れ。もう好きにして下さいって感じ。舞台上でも他の役者連はツッコミも何もせず(しないじゃなくて出来ない状態?)、ただ成り行きを見守る。おもしろいからいいんだけどね。化け猫4匹衆もいろいろカマす。蜂屋さんは相変わらず歌も上手いがネタも発揮で、恋文なのに「おかげさまで血圧も下がり、上が100・・・」などとヘンなことを言い出す。御老屋さんはやっぱりかわいいねぇ、すごくいいカオして踊ってた、猫っぽいな〜んか裏がありそうな含みのある笑み。伊予屋さんも相変わらず歌で聴かせてくれるが、芝居の方も「ホントは30ン歳だけどこれは10ナンボ」なんてのは頭のカラッポさ加減なんかがおかしくって。天邪鬼屋の「ホントは40ン歳だけどこれは30ナンボ」なんか、もう相変わらず胡散臭さ全開で笑える。そういや今回はずいぶん殺陣が多かったようにおもう。殺陣師山下としても活躍ぶりが窺える。最近は蜷川作品に声がよくかかるが、それも納得できるもんである。色気というか胡散臭さというか、面白い空気があるもんなぁ。
一番下手側の席で首が疲れるなぁと思ったが、今回は上下両花道だったので下手花道が目の前。花組座長加納幸和氏や小太郎氏の細かな演技までガン見した。小太郎氏お得意の早替えを活かした脚本と演出で、次から次へと役が入れ替わる。そして舞台上でも引き抜きを使って早替え。ここからの小太郎氏がよかった。猫が乗り移ってからの芝居は見ごたえあった。
千秋楽ではないので、終演後の座長様による役者紹介はなし。しかしカーテンコールでは竜君が客席を練り歩き、ご贔屓からの差し入れをゴッソリ頂いていた。挙句は、竜君に続いて花組役者連も客席に降りてくる始末。いつもはこんなことやらないはずなのにねぇ。今回から乙貝屋磯村智彦氏が正式に入団した。しかし舞台上での口上はなし。変わりにロビーで乙貝屋さんの口上ビデオが流れいてた。しかし新人口上とはいえ、結局先輩役者の茶々が入っていた模様。最近せっかく新人が入っても諸事情で退団することが続いていた為、乙貝屋さんにはこの先も頑張って頂きたいと思う。そうでなければ、花組芝居の平均年齢が上がる一方だ!
おまけ:ロビーで着物姿の男性を見かけ、男性でも着物着てくるお客がいるんだなぁと珍しげに見たら、日テレお天気でおなじみの木原実氏だった。そういや木原さんは花組出身の元役者現気象予報士なんだった。今でも日テレの女子アナつれて花組の舞台には足を運んでいると聞いていたが、では木原さんの周りにいる女性達は女子アナ?と思って見ても、最近のテレビ事情に詳しくないため誰が誰か全く分からず。
おまけ2:I泉の愛猫モモちゃんの乳癌が発覚し、すでにあちこちに転移し手術するも手遅れで、余命わずかだと悲しんでいた。猫つながりでなんかタイムリーというか間が悪いというか、変なタイミングで複雑な気持ちだ。