「近代能楽集」@彩の国さいたま芸術劇場

はるばるやってきた彩の国。以前シアターコクーンで「近代能楽集」は観劇済みだが、何故ゆえに再観劇を決めたかというと、前回は急遽高橋洋氏が降板したからだ。前回のキャストに不満はないが、高橋洋氏での「卒塔婆小町」を観ておきたいとの衝動にかられ、わざわざ埼玉まで電車にカタコト揺れてやってきた。
さいたま芸術劇場は始めて。でかいね〜。そして藤原竜也氏目当てと思わしき女性陣がわんさと集まっている。
卒塔婆小町」by壌晴彦&高橋洋 以前強烈な印象を受けたセットはそのまま。公園のシーンでは常に上空から真っ赤な花が降ってくる。ただでかいホールだけに高さもあり、花が落ちるたびに結構耳障りな音がする。花が散る時ってもっとこう「カサッ」とかわずかな音が聞こえる程度というイメージがあるが、劇場全体に「パシーン」と響き渡る。回想シーンでダンスを踊った日にゃ、床に落ちた花が「カサカサカサカサ」。せっかくのダンスのBGMに異音が混じる。コクーンの時もこんな感じだったか?覚えていない。壌氏の老婆と小町の変貌が見所だが、老婆の演技に存在感を感じる。いやらしさもありつつ、若く美しかった小町の頃のプライドなんかも持ち合わせている。高橋さんはいい色気が出てきたね。安定感あるし。観に来てよかった。
「弱法師」藤原竜也夏木マリ 確か前回は高橋惠子女史だったと思った。それはそれでいいが、マリ姐さんも楽しみである。どちらも女性としてのやわらかさがとてもいい雰囲気だが、マリさんはその逆のバサッとぶった切る両面性がより強く出ているようで、その二面性が面白い。藤原さんは相変わらず瑞々しい。世の女性共が夢中になるのも仕方ないね。しかしイメージが若干定着してしまっているような。NODA・MAPに出た時あたりはちょっと違う感じもあって面白かったような覚えがある。今度蜷川幸雄氏の演出による「天保十二年のシェイクスピア」が上演されることになった。4時間位かかる大作。以前いのうえひでのり氏が演出した舞台を見た。藤原君は一体どの役をやるのだろうね。おそらく「三世次」は唐沢寿明氏だろうけど、役によっては結構な変身振りを見れるのではないかと、実は結構楽しみなんである。勿論他の役者も大変豪勢で楽しみだ。
余談だが、休憩時間そばにいた若い女性達の会話。「さっきの藤原君じゃなかったよね。びっくりしちゃった。え〜と、高橋なんとかって人?」おーい、「近代能楽集」は「卒塔婆小町」と「弱法師」の2作品だってかいてあるでしょ〜。今更何言ってるの〜。やはり藤原竜也ファンって多いのな。若いコからオバサマまでファン層は広いんだろうな。