シティボーイズミックス PRESENTS「マンドラゴラの降る沼」@池上本門寺境内特設テント



昨年に引き続きこの時期はシティボーイズを見た覚えがある。前回はすごくハマッたってワケではなかったので、今回はどうしようか悩んだものだが、久々にいとうせいこう氏が出るというので、コレは行っておかないと。
駅からトコトコ歩くと目の前には長くそびえ立つ階段。うへぇとなるが、毎日帰宅するのに坂を10分上っていることを考えるとそーでもないかと頑張る。立派な本殿を前にして、そういや今年はまだちゃんと御参りしていないなぁと思い出し、時間もあることだしせっかくだから拝んでおこうと急遽参拝。
テント芝居というが、これが結構しっかりしたつくりのテントでちょっと驚く。しかも外からではわからないが、中に入ると結構デカい。劇場ならば出演者へのお花が届くところが、ここでは幟(のぼり)がハタハタとはためいていて、なんか相撲か歌舞伎を思い出す。外ではおやつやら飲み物やら軽食類やらを売っていて、なんか縁日っぽい感じ。本門寺あんぱん(数量限定・開演前には売り切れてた)や精進アイスといったオリジナル商品もあって、なかなか笑える。ちょっと小雨が時々降る程度だったので、みんな外で食事タイム。せっかくだからと精進アイスの黒蜜きなこを頂きました。美味しかったです。
開演前には本門寺のご住職(?)によるプチ説法。噂には聞いていたので特に驚かなかったが、この方が結構面白かった。しかも毎日芝居を見ているらしい。そんなにシティボーイズが気に入ったか、坊さん。芝居の方は予想以上に面白かった〜。いやぁ〜ここまでバカ芝居に徹したモンは久々かも。そしてグダグダでユルユル。今日は「テンポ良く!」を目標にしたらしいが、なかなかそうもいかないのが現実。全員いい年したオジサンだし、容赦なくアドリブかまして芝居の流れなんかお構いなし。けれど音楽だけはテンポ良く引っ張ってく。ちなみに音楽はSHINCO(スチャダラパー)によるもの。これがまたカッコよくてねぇ、よかったんだわ。こーいう意外な人脈繋がりもあって、オモシロさが増す。
大竹・きたろう・斉木・中村4名がもうやりたい放題大暴れ。誰かが噛めばすぐに拾ってツッコみ、斉木さんの着替えか何かの為には、大竹氏が一生懸命つなぐ。時間的につなぎが必要なくなっても、結局やり続けたらしい。壁を登れる日は来るのだろうか。斉木氏はジュディ・オングを歌いながらマイナスイオン(?)を撒き散らす。そんなワケわからん状態のところへ、ゲスト女優・銀粉蝶さんがもう天然とも演技ともつかないボケを連発。彼女が演じるベルギー人は、出演者もマジで吹くという物凄い存在だった。昨日拝見した毬谷さんとはまた違った、化け物級の怪優である。そんな中、一人シメるのがいとう氏。いやぁ大したもんです。そんなメチャクチャなのかといえば、ちゃんとお話は出来上がってて、面白かった。最後に「劇団・風は振り返らない」を実演したのはスゴイ。
カーテンコールでは演出の細川徹氏も登場してちょっとビックリ。出演者達とは遥かに年代が異なる彼が、毎度作品に関わっているということ自体が結構驚きではあるのだが。まあ先輩達が認めるほど、それだけ面白いヤツということなのだろう。ひとりいつの間にスーツに着替えているいとう氏、何ともちゃっかりしたヤツである。今後もまたいとう氏に出ていただきたいものだが、今回が6年ぶりだとかなので次も6年後、オリンピックよりレアにするそうで。そういわず出てくれよ、せいちゃん。
もう十分過ぎる大人たちによる芝居だから、一生懸命になりすぎずユルさがあるのがちょうどいい。せっかくだからまた見たいものだが、東京は本日千秋楽。シティボーイズものはずっと以前からWOWOWで放送されているから、シアテレではやらなさそう。うーんあとはDVD?この後は地方公演もあり。いい年した大人にしては、ちょっとハードな動きとかもあるので、くれぐれも体には気をつけて無事大楽を迎えられるよう期待しております。なにはともあれ、東京公演お疲れ様でした。