「ローレライ」

んで、会社行事だけのために家を出るのが腹立たしく、遊びへGO!噂には聞いていたけれど、男くさい映画。潜水艦というせっまい空間に男が詰まっている。それでなかなか面白かったな、泣けたし。映画って泣きたい時に手っ取り早い手段かもしれん。まあ、今回は別に泣きたかったわけではないが。
もっともっとマニアックな部分までつっこんでみるのも面白いんじゃないかと思ったが、そこはそれ、万人を相手にする映画という分野ではそうはいかないかもしれない。恋だの友情だの愛国心だの憎悪だのって人間の感情を描かんと、映画作品として成り立たなくなってしまうかもしれん。個人的には潜水艦の物語に興味があったので、軍令部のいざこざやパウラと折笠の関係などに関しては、やや退屈してしまったというのが正直なところ。ストーリー以外の部分にも個人的に興味どころがあったので、そっちに気が行ってしまったという感もあり。
舞台によく足を運ぶ身としては、舞台俳優がスクリーンにちょろちょろ現れるのが新鮮である。近藤公園氏はすでに映画に数本出ているが、粟根まこと氏があそこまで映像に出ているのは見たことがない。あらゆる分野の人が集まって制作された映画なので、エンドロールも気にしていたら、押井守氏まで関わっているではないか。庵野秀明氏の参加は知っていたが、こちらは知らなかった。まあ押井監督はホンのちょっとだけだが。
余談ではあるが、家に帰ってパンフレットを見ていたら、樋口真嗣監督が着ていたTシャツ「レッツゴー!忍法帖」に大爆笑。
折笠や清永が人間魚雷「回天」の操舵手ということで、特攻が一般によく知られる「神風特攻隊」だけでなかったことを改めて実感。数年前社員旅行で九州に行った折に知覧の特攻平和記念館を訪れた時、何ともいえない感情を抱いたことを思い出した。パウラがローレライ・システムを起動する力は、ナチスドイツの実験によるものという設定や、パウラの回想シーンでアウシュビッツなどの映像が使われていたのもまた、負の感情を揺さぶられる。普段知り得ることのない潜水艦を描いた映画ということで興味をそそられたが、それ以前にまず戦争をテーマとしている映画だということを思い知らされた。中島かずき氏のコメントで「ここまで戦争と向き合う経験があったから、『アテルイ』や『SHIROH』が書けたかもしれない」とか何とかあったが、それもうなずける話だ。
またもや余談だが、本日の新歓ボーリングといい社員旅行といい、ホントに行事が好きな会社である。そこそこ楽しんではいるが面倒も多く、付き合わされる社員にとっては結構悩みの種である。